イタリアからのてがみ
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涙も枯れて!Orvietoから
2016.4. 5
ぶどうのことです。
冬の間の雨に、十分に水分を取って自分の幹に蓄えた枝を切ると、ご覧のように、涙を出します。
この涙をほっておくと、知らないうちにその涙は、止まるのです。人の涙は?止まりますか?まあ、うれしいとき、感激したときの涙は止まりますかね?悲しいときや、苦しいときの涙は?泣いていられないのでは?
そう、ぶどうのことですね?
涙が止まったら、Legareという作業に入ります。辞書を引くと結わえると出ます。つまり、われわれが採るのに便利な位置までできるであろうブドウの位置を、矯正するのです。
今年のイタリアは、日本より早い春が来ています。大きな忘れ物をしていました。昨年の秋に植えたチューリップが出てきました。素敵な忘れ物でした。
チューリップというものは、切らないと一週間から二週間ほどもつのですね?切ってしまうと2日です。面白いものです。
日本人の大好きな、桜ですが、吉野の桜は終わりまして、サクランボを点ける桜が、盛りです。
この桜は、もう少しあとから、毎年、アリと私の戦いの場になるものです。昨年は、勝ちました。この桜、雷に打たれた後のあるものでして、必死に、頑張れよ!と言い続けたら、体から、やにを出しながらでも、真っ赤な、サクランボを、春の終わりに作ってくれています。
鳥は歌い、さわやかな風が吹き、花は咲き、冬眠していた動物は起きてきて、まさに春爛漫なのです。
私はこの草を見ながら、ぶどうのように泣いてもいられないので、草との戦いに入ります。苦しい涙なので?枯れた後には、喜びが来るでしょう。